毎日新聞、サンデー毎日宛協会要望文
平成19年11月17日付け毎日新聞掲載の<ペット火葬>ブーム便乗の悪質業者横行 数十万円の請求もと題する記事についての、当協会の見解と要望
平成19年12月03日
全国ペット葬祭業協会

 拝啓、貴社におかれましては益々御繁栄のことと拝察いたします。
 早速ですが、先の平成19年11月17日付毎日新聞紙上に、上記表題にて「移動火葬車で営業するペット葬祭業者の中に、法外な料金を請求するものがあり、広告上では数万円であったものが、実際には数十万円の請求を受けた」、また、「ペット葬祭業には法令上の規制が無い」などを内容とする記事が掲載されておりました。

 全国で真摯にペット葬祭業を営む会員で構成される全国ペット葬祭業協会(平成17年10月設立、以下「当協会」と記す)は、この記事に記載されている事例につきまして、この記事以前にそうした情報を入手しており事実と認識しております。ペット葬祭業に携わる身として誠に遺憾であり、残念でなりません。
 ただ、「法令上の規制が無い・・・」との事情については、昨今、多くの地方自治体で規制条例が制定されており、御指摘は正確ではないと考えております。
 しかしながら、何よりも、この記事によって、法令上の規制が無いことから悪質なペット葬祭業者が全国に跋扈している(従って、早々に規制を設けよ)との印象を広く読者に抱かせたのではないかと危惧しております。

 ペット葬祭業は、ペットが身近な存在となり、また、日本人が有する死に対する宗教感情と相俟って、近年一般化してきた比較的新しい職種です。そのため、ペット霊園という施設が存在することや、ペットが亡くなったときにはペット霊園を利用して供養することが、ようやく一般に認識され、浸透してきましたが、ペット愛好家でさえもペット霊園の業務内容についてまでは知らない人が多いのが実情です。
 このように多くの人にとって未だ馴染みが薄いことがk土壌となり、この記事に記載されているように、最愛のペットを亡くした人々の心の隙間に入り込み、詐欺行為とも言えるような悪質な行いをする業者が出現するようになりました。

 しかしながら、御指摘のような悪質なペット葬祭業者が存在する一方で、全国には、この業務に真摯に取り組んでいる良質なペット葬祭業者も数多く存在しております。

 地域に根ざして、この業務に真摯に取り組んでいる全国のペット葬祭業者の有志は、ペット霊園が抱えている深刻な諸問題に危機感を抱き、前述したように平成17年10月、全国ペット葬祭業協会(当協会)を立ち上げました。当協会には、平成19年11月現在、全国で50のペット霊園が加盟しております。
 当協会の活動は、設立して日も浅く、まだまだ十分なものとは言えませんが、例えば、業界内部に向けては業務・サービス等の向上を主眼とした勉強会、あるいは情報交換・活性化のための交流会などを開催して、ペット霊園個々の質的な改善を図るとともに、外部に向けては全国に優良なペット霊園を紹介すべくホームページ等を通じて広報し啓蒙活動も進めております。

 ところで、ペット葬祭業は死を扱う業種であるためか、一般に忌み嫌われ、大抵は迷惑施設と考えられており、周辺住民との軋轢問題などでは度々メディアに取り上げられております。他方、多くのペット霊園が地域に根ざして地道に業務に取り組み、御利用者から感謝され、地域社会に大きく貢献している事情は残念ながら報道されることはありません。ペット葬祭業ないしペット霊園そのものは迷惑施設などでは決して無いということ、地域社会に大きく貢献しているという例を幾つか挙げるとするならば以下のとおりです。
 例えば、ペットの死亡原因として伝染病などの病気がありますが、旧来の動物葬儀方法のように土葬してしまうと、これら病原菌は遺体に付着したまま何年も土中で生き続けると言われています。そしてこれらが野生動物等によって掘り起こされ、生体への感染源となることもあり、また、地下水などへの汚染の問題も出てきます。しかしながらペット霊園で火葬することによってこれらの病原菌は死滅します。動物由来感染症など、病原菌の中には人に感染するものも数多く存在することから、ペット火葬は公衆衛生上の観点から大変意義があります。
 更に、ペット葬儀には可愛がっていた多くの子供たちが参列しますが、生き物はいつか死を迎えるという自然の摂理について子供たちに間近で考える機会を与え、生き物に対する畏敬の念を育み、情操教育に非常に良い影響を与えています。
 また、近年問題視されているペットロス症候群の解消にも多大な貢献をしています。最愛のペットを、ペット霊園で丁重に火葬し供養することにより、飼い主は、その心情に一定の区切りを付けることが出来るのです。
 このように、ペット霊園それ自体は、現代の地域社会に絶対必要な施設になってきております。そして私共協会の会員を中心として、より多くのお客様から必要とされ、愛され続けることが出来るよう日々精進しております。

 ペット葬祭業が迷惑施設視から脱し、広く一般に認知され市民権を得られるには、まだまだ時間が必要であり、お客様が一部の悪質な業者の餌食にならないようにするためには、このような悪質業者が存在する事実の報道、注意の呼びかけは大切なことと考えております。
 しかしながら、安易に法規制に対処・解決を求めるのではなくて、ペット葬祭業界の内部でもこうした状況を放置することなく、自律的な活動・努力によって改善への対策に目を向けていることをご理解いただくとともに、そうした意識・向上心を持ち、業界全体のことを考えてこの業務に誠心誠意取り組んでいる良質なペット霊園が全国に多数存在することをお知り置き頂きたいと切に願い、本書を差し上げる次第です。

 尚、お客様側の自衛策として、東京都消費生活総合センターのアドバイスを引用し、葬儀依頼の際に「事前に見積書を出させる・・・」ことを勧めておられますが、大抵の業者は料金を明示し、口頭であっても相違なく承っていること、ペット葬儀では死亡した当日の葬儀が多く、また葬儀内容も現場での変更が多々あること、電話予約が一般的であることなどペット葬儀独特の事情があり、すべて事前に書面を出すことは実情に合わないことをご理解いただきたく、今後、このような記事を掲載される場合は是非ともペット葬祭業者側の事情も併せてご取材いただきたいと存じます。

 また、このほどの「サンデー毎日」掲載の関係記事においては、小田原市など、行政サービスの利用を勧めておられるような記事がありますが、多くの場合、行政の取り扱いは葬儀という意味での火葬ではなく、動物の死体の焼却処分ということに主眼があります。従って、遺骨はほとんどの所が返却しておりません。また、住民サービスの一環としてのペット火葬は大きな赤字を出しており(小田原市も例外ではありません)、その経費の不足分を税金で補うため、ペットを飼っていない住民との公平から批判が出ています。そして全国的に見た場合、多くの自治体はペットの遺体はごみ扱いですので、生ゴミの収集日に出すよう求められます。
 このように、行政の取り扱いには問題が多いため、ペット愛好家の多くは、家族の一員として可愛がっていたペットの遺体を行政に連れて行こうとはしないのです。

 前述したようにこの業種は近年一般化してきた比較的新しい職種のため、業務内容や事情が浸透していないせいもあるかとは存じますが、ペット葬祭業についてもっと知っていただき、正確、且つ、より良い報道をしていただきたく要望するものであります。


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